相続した不動産の共有はNG?デメリットと注意点を解説

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こんにちは!estate_diaryです。

 

今回は、相続した不動産を共有の状態にしておくことが良いのか、悪いのかについての解説です。

相続人が複数いる場合に、遺産をキレイに分割できないことがあります。

そんな時は、相続人全員で共有する形での相続が可能です。

ただし、共有の状態は望ましいものでないことが多いのも事実です。

今回は、相続における共有について解説します。

 

共有とは

共有とは、相続した土地を兄弟などで一緒に所有することです。

相続した土地や不動産が1つだけだった場合など、財産を分割することが難しい場合にできます。

相続した不動産を共有することで、全員で1つの不動産を所有することが可能です。

注意点としては、共有持ち分はあくまでも「権利上のもの」であるということです。物理的に分け合っているわけではありません。

土地を2人で共有しているケースで、北側がAさん、南側がBさんが持っていると物理的に分割されていると考えるのはよくある勘違いです。

 

相続不動産を共有にするメリット・デメリット

相続の共有にはメリットのほかに、いくつものデメリットがあります。

共有のメリット・デメリットを紹介します。

 

メリット:節税効果

居住用の住宅の売却に際しては、さまざまな税制特例を受けることが可能です。

例えば「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」が使えれば、売却益のうち3,000万円が非課税です。

共有不動産を売却では、共有者それぞれが特例を利用することができます。

1人が相続して売却するのに比べて節税のメリットが大きいのです。

 

デメリット:処分に同意が必要

不動産を共有にする場合、持分によって1人でできること、できないことが変わってきます。

例えば「土地を不法に占有している人」への明け渡し要求

これは「保存行為」とされ、各共有者が単独で行うことができます。

一方、不動産を第三者に賃貸する行為「管理行為」と呼ばれ、共有者の持分価格の過半数の同意が必要です。

不動産の売却は「変更行為」とされて、共有者全員の同意が必要です。

共有者が1人でも反対する限り、不動産を売却することができなくなるのです。

 

デメリット:登記のし直しが必要

共有持ち分のみを相続した時、単独所有と同様に名義変更をする必要があります。

登記をやったことがない一般の人には手続きが大変に感じるでしょう。

司法書士に頼むことができますが、コストが発生します。

不動産を共有で登記する場合、持分割合や共有者が変更になる度に登記をする必要があるのがネックになります。

 

デメリット:トラブルにつながる

許攸関係を解消して単独所有にするため、共有者全員で遺産分割協議をする必要があります。

協議の参加に非協力的な持分所有者がいる場合、話し合いが難航することになります。

親世代の関係が円満でも、子供世代は円満であるとは限りません。

共有関係は早いうちに解消しておくことで、遺言書を作成して将来的に揉めないようにすることが大切です。

 

共有以外の選択肢

共有者間でのトラブルを回避するために、遺産分割協議を開いて専門家のアドバイスを参考に遺産の分配方法を決めることが大切です。

共有以外の遺産分割の選択肢を紹介します。

 

現物分割

不動産はAさんが相続、現金はBさんが相続といったように、相続した財産をそのままの形で受け取ることです。

それぞれの相続人が単独で所有する点で共有と異なります。

ただし、相続の財産によっては相続人の間で公平に分けられない点がデメリットです。

 

代償分割

誰か1人が不動産を相続し、不動産を相続していない人に一定の現金を支払う方法です。

「不動産を相続したい」と考えている人と「現金を相続したい」と考えている人がそれぞれいる場合に有効な方法になります。

しかし、不動産を相続した人が代償として支払う現金は相続人自身の財産です。

相続人に現金がないと成立しない点が問題になります。

 

換価分割

不動産を売却してお金に換えて、現金を分割する方法です。

被相続人が遺してくれた財産を手放すことや、財産の売却に手間と費用がかかることがデメリットです。

 

まとめ

今回は、相続不動産の共有の問題点を解説しました。

共有者間でトラブルがあった場合、売却も賃貸もできなくなる可能性があります。

共有状態はできるだけ早く解消し、子供たちにトラブルを残さないようにするのが大切です。