相続財産の登記、ほんとに必要なの?

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相続財産の中に不動産が含まれていたら、、、

遺産分割が済んだら登記をしなくちゃなーと思いますよね。

 

 

 

しかし日本全国に所有者が不明の土地がものすごい数に上るのをご存じでしょうか。

法務省が2017年6月に発表したサンプル調査においては、「最後の登記から40年以上経過する土地は大都市で6.6%(宅地に限ると5.4%)、中小都市などで26.6%(田畑で23.4%)あります。」(2017年12月31日付日本経済新聞朝刊『所有者不明の土地、なぜ増加?相続時に登記義務なし』より引用)

 

 

 

相続財産を登記しないで放置しているため所有者が不明の土地が増えているということなのだそうです。

 

 

 

 

せっかく相続したのに登記しないのはなぜなのか、

登記しないとどのようなことが起こるのか、今回は簡単にまとめて説明したいと思います!

 

 

まずは、なぜ相続登記されない土地が上記のように広大になっているのかについては、

下記の2つが大きな原因になっていると私は思っています。

 

 

 

①相続登記には期限がなく、法的な義務がないこと

とすると、不動産登記は相続した土地の価値があまりないのに、費用だけがやたらかかるとなったら、あなたは登記しますか・・・?

上記の日経新聞の引用を見ると、大都市よりも中小都市の方が所有者不明の土地が多いことがわかりますよね。

登記には登録免許税(固定資産評価額の1000分の4)がかかりますし、お金をかけてまで登記したくないと考えるのでしょう。

 

②手続きが面倒くさい

不動産の相続の登記の申請自体は、本人でもできますが、集める書類も多く面倒なのが厄介です。司法書士に依頼すればいいのですが、そうすると報酬も支払わなくてはなりません。

そうすると、あまり価値のない土地などをわざわざ登記したくないと考えるのもわからなくもありません。

 

 

 

では、相続登記をしておかないことで、受けるデメリットはなんなのでしょうか。

 

 

 

①相続人が相続した不動産の登記をしないまま、さらに亡くなるとまた相続が発生し、妻や子に、孫にというようにどんどん相続人が増えていきます。そうすると、だれが相続人であるかの確認も手間になりますし、協議を行うにしてもなかなか同意が得られないなんてこともあるかもしれません。

 

そうすると弁護士やら、司法書士やら結局専門家の助けが必要になるわけで、相続登記を後送りすることで結局費用がかさみます。

 

②不動産を速やかに売却したり、抵当権をつけたりできない。

相続の協議が済んで、不動産を相続人の一人が相続することになっていたとしても、相続登記がされていなければ、他人から見れば、相続人全員で共有していることになります。

 

良い買い手が見つかったので急いで売却したい、と思っても相続登記を行ってからではないと売却できません。場合によってはチャンスを逃すこともあるかもしれません。

 

③他の相続人が勝手に自分の法定相続分で登記して、持ち分を他人に売却してしまった。

またはほかの相続人の債権者が勝手に法定相続分の登記をしてしまった、など。

登記をもたもたしている間に、他の相続人の意図や状況等で、他人と不動産を共有してしまうことになります。こういうことは実際にあって、買取を迫られることもあるそうです。

 

 

 

以上、なぜ、相続登記がされないのか、と、相続登記をしないことのデメリットを簡単に説明しましたが、皆様はどのようにお考えになったでしょうか。

 

 

 

 

 

そもそも価値があまり感じられずに、登記もしないでいるような土地・家屋は相続放棄すべきなのではないかな、と私見ですが思いますし、特に建物が残っていたりする場合はそれが壊れたりなどして、なんらか他人にけがなどさせたりする場合は責任の所在が分からなくなりますし、よくない事ではありますよね。

 

 

 

国は相続登記の義務化を進めています。

時限措置として、2018年4月1日から2021年3月31日までは一代前の相続登記にかかる登録免許税を免税にする特例があるそうです。

 

 

 

以上が私が調査した結果ですがご参考としていただき、相続登記は重要なことなので、必ず専門家(弁護士・司法書士)に相談して最新の法令を確認し、適切な対応をとれるようにしていただければ幸いです。