農地の相続税①農地の相続税評価

f:id:kateikyoushilife:20211018171701j:plain

こんにちは!estate_diaryです。

 

亡くなった人が農地を保有していた場合、その農地も相続財産となります。
農地も土地ですから、土地としての相続税評価を行い、その評価額を求めることとなります。

ただ、農業を引き続き行う相続人がいる場合は高額な相続税を支払わなくてもいいように納税猶予が適用できます。

 

今回から3回に分けて、どのように農地の評価額を計算するのか、そしてどのような場合に納税猶予が適用されるのか、その内容を確認していきます。

 

農地の相続税評価・計算方法

農地を保有している人が亡くなると、その農地が相続財産となります。
農地の相続税評価額を計算する際には、その農地の種類に応じた計算方法が定められています

 

農地の評価額を求めた後の相続税の計算も含めて、農地の相続税について解説していきます。

 

農地の相続税評価①純農地・中間農地

純農地は、以下の3つのいずれかにあてはまる農地のことです。

  • 農用地区内にある農地
  • 市街化調整地区内にある農地のうち第1種農地又は甲種農地にあてはまるもの
  • 上記以外の区域内にあって第1種農地に該当し、第2種農地、第3種農地に準じないもの

 

一般的な農地であり、宅地として使用する見込みはないことから、宅地となる可能性は考慮しません。

 

また、中間農地は以下の2つのいずれかに該当する農地のことです。

 

  • 第2種農地にあてはまるもの
  • 第2種農地に準ずる農地と認められるもの

主に都市近郊に所在する農地が対象となっています。

 

純農地や中間農地は、倍率方式により相続税評価額を求めます。
その農地の相続税評価額に国税庁が定める倍率を乗じた金額が、相続税評価額となります。

 

農地の相続税評価②市街地周辺農地

市街地周辺農地は、以下の2つのいずれかにあてはまる農地のことです。

  • 第3種農地にあてはまるもの
  • 第3種農地に準ずる農地と認められるもの

 

市街地の区域内にある農地、あるいは市街化が著しい地域にある農地があてはまります。

 

市街地農地とみなして相続税評価額を計算しますが、その額を80%に減額することとされています。

 

農地の相続税評価③市街地農地

市街地農地は、次のいずれかにあてはまる農地のことをいいます。

  • 転用許可を受けた農地
  • 市街化区域内にある農地
  • 転用許可を要しない農地として都道府県知事の指定を受けた農地

 

市街地農地は、宅地比準方式または倍率方式により相続税評価額を計算します。
宅地比準方式は、その農地が宅地であるものとして評価した金額から造成費用を差し引いた金額となります。

 

相続税の計算方法

まずは農地以外の財産も含めた、すべての相続財産の合計額から相続税の計算を行います。

 

この時、相続財産の相続税評価額から「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算される基礎控除の額を差し引くこととされます。


相続財産の合計額が基礎控除以下となれば、相続税は発生せず、相続税の申告をする必要もありません。

 

相続財産の合計額から基礎控除を差し引いた後の金額が、相続税の課税対象となる金額です。

 

課税対象額を法定相続分に分割して求めた金額に税率を乗じて、相続税を求めます。
その後、それぞれの法定相続分から発生した相続税額を合計して、相続人全員で支払うべき相続税の合計額を計算します。

 

相続税の合計額を求めたら、それぞれの相続人が相続した財産の額に応じて税額を按分します。

 

相続人ごとに按分された税額から、税額控除や納税猶予の適用を受けられる金額を差し引きます。

 

また、逆に二割加算の対象となる相続人がいる場合には、その税額を加算します。
このようにして求めた相続税額を、相続開始から10か月以内に納付するのです。

 

農地を相続した場合には、相続税が発生しても納税猶予の特例が適用できる場合があります。

 

その場合は、納税猶予の対象となる税額を差し引いた残りの金額を納付します。