相続放棄を強制された!? 対処法や注意点

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こんにちは!estate_diaryです。

今回は相続放棄を強制された場合の対処法についてご紹介していきます。

 

相続放棄は、場合によっては有効な方法です。

 

相続財産中に借金が多く、相続した場合に負債を背負ってしまうような場合は、相続放棄をしたほうが良いこともあります。

 

しかし、それを強制されるのはまた別の話です。

 

自分の相続する割合を増やしたいという理由で、他の相続人に相続放棄を迫ってくる人は、残念ながら少なからず存在します。

 

相続放棄を強要された場合にはどうすればよいのでしょうか。

 

相続放棄の強制は違法?

当然ですが、相続放棄を強制することは違法です。

また、犯罪に該当する場合も多く、強要罪が成立することが多いです。

 

①他人の生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対して害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いたこと

②①によって、他人に義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害したこと

 

①、②を満たす場合に、強要罪は成立します。

 

また、①や②に該当するまでのことは行われなかったとしても、未遂として処罰される可能性はあります。

強要の違法性を訴える

まずは、相続放棄を強制することは違法であると相手方に伝えましょう。

法律上の根拠があると伝え、相続の正当性を訴えます。

 

もし、それでも相手が相続放棄を強制してきたり、横暴な態度に出た場合は、弁護士を通じて再度正当性を主張しましょう。

 

遺産分割協議の際に訴える

遺産分割協議は、全ての相続人が参加しなければなりません。

 

それの参加すら許可されない場合は、即刻弁護士に相談することをおすすめしますが、参加できた場合は、再度自身の権利について主張しましょう。

 

また、特定の相続人に相続放棄を強要されている場合は、強要されている旨を他の相続人に伝えるのも効果的です。

 

それでも強要に応じてしまったら?

頭では「強要は犯罪である」「自分には相続の権利がある」と分かっていても、脅迫をされたら誰でも怖いものです。

 

「相続を放棄しなければ、家族がどうなっても知らないぞ」

こんなことを言われたり、まして暴力を振るわれたりしたら、その場では「相続を放棄します」と言わざるを得ませんよね。

 

では、「強要で相続を放棄させた者勝ち」なのでしょうか?

 

もちろんそんなことはありません。

 

強要による相続放棄は取り消しができます。

 

民法第96条第1項で、「脅迫」による意思表示は取り消すことができると定められているからです。

 

なので、もし身の危険を感じたり、何を言っても通じず、埒があかない際は一旦「相続は放棄する」と相手に伝え、後ほど脅迫された旨を伝えて、発言を撤回するのも選択肢の一つです。