親御さんが亡くなって相続が発生した時、心配になるのが税金のことです。
相続税がいくらぐらい掛かるかなんて、普段は考えたこともない!なんて方も多いと思います。
まして、土地などの不動産を相続することになると、税金以外にも難しい手続きや出費が掛かりそうで不安。そう感じる人も珍しくありません。
そこで今日は土地を相続したケースを例に、相続税や名義変更のお話をしたいと思います。
相続が発生したら何をすればいいの?
土地の相続が発生したときの大まかな流れは、以下の通りです。
①相続の意思確認
相続が発生した時、相続人は相続するか相続放棄するかの選択ができます。
相続放棄をする場合は家庭裁判所への申し立てが必要ですが、放棄しないことに関する手続きは特にありません。
相続が発生したことを知った日から3ヵ月以内に相続放棄をしなければ、自動的に相続することが確定します。
②遺産分割協議
亡くなった人が遺言書を残している場合、相続財産を誰がどの割合で受け取るかは、遺言書の内容に従います。
遺言書が残されていない場合は、遺産分割協議で決めることになります。
しかし遺産分割協議は相続人全員の同意で成立するため、まとまるまで時間が掛かるケースもあります。
③相続登記
遺産分割協議書ができあがったら、土地の名義を亡くなった人から相続人へ変更します。
俗にこれを、相続登記と言います。
相続登記は相続人自ら行うこともできますが、専門知識が必要なため、殆どの人が司法書士へ依頼して行います。
④納税
相続人と相続財産額が確定したら、相続税額を計算し納税します。相続は納税額を割り出すまでに、多くの知識を必要とします。ケースバイケースで控除されるものも変わってきますので、税額の計算は税理士へ依頼することをおすすめします。
相続時に一番気になる「税金」
不動産の名義人が変わるときに発生する税金には、相続税と不動産取得税があります。
土地の相続で名義が変わる場合は相続税が課税されるのですが、相続人の中には「不動産取得税も課税されるのでは?」と心配される方がいます。
大丈夫です。両方は課税されません。
ただし、誰が受け取るかによっては、相続税ではなく取得税が課税されるケースがあります。
【ケース①遺贈】
通常、相続は親族が受けるものですが、遺言書にによって他人に財産を残すケースがあります。
これを遺贈と言い、不動産取得税の対象となります。
【ケース②死因贈与】
死因贈与とは、特定の人に特定の財産を与えるという内容の契約を、生きているうちに交わすものです。
こちらも不動産取得税の対象です。
肝心の税額はいくら?
相続税の計算方法は、
まず、相続財産の総額-(基礎控除3,000万円+600万円×相続人の数)で課税対象額を出し、さらに税率を掛けて計算します。
分かり辛いので、相続財産総額が5,000万円の場合を例にご説明します。
相続人が1人なら、財産総額5,000万円-(基礎控除額3,000万円+600万円×1)で、課税対象額は1,400万円となります。
1,400万円に、該当する税率を掛けると納税額です。
相続人が4人なら、相続財産額5,000万円-(基礎控除額3,000万円+600万円×4)で、課税額は-400万円となり、税金が掛からないことになるのです。
詳しい税率はこちら
引用:国税庁ホームページ
名義変更はしなくてもいいって本当!?
相続に限らず、実は不動産の名義変更登記は義務ではありません。
だからと言って、名義を変更せずそのままにしておくと、後々不都合なことが起きる可能性があります。
名義を亡くなった人のままにしておくと、相続不動産は「相続人全員の共同所有」という扱いにあります。
万が一、相続人の一人が財産の差し押さえなどを受けた場合、相続不動産の一部も差し押さえられることがあります。
そうなってしまうと、売却したくてもなかなか売れなくなってしまします。
他にもデメリットは多々ありますので、
権利変動があった時は速やかに変更登記をしましょう!
以上、名義変更と相続税のお話しでした。