相続した不動産、名義変更は必ずするの?登記申請は自分でできる!?

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先日、亡くなった親御さんが残した土地を売りたいとのご相談を受ました。

その際お客様からのご質問が気になったのでご紹介します。

 

(質問)

相続した土地は、登記しないといけませんか?

 

(回答)

登記自体は義務ではありませんが、売却するのであれば登記が必要です。

なぜなら、登記名義を被相続人(亡くなった人)から直接買主に変更することはできないからです。

不動産登記は、実際の権利変動を記すのもなので、相続が発生した時はその旨の登記が必要です。

 

ご相談くださったお客様は売却が前提だったので、名義変更をするようおすすめしました。

 

ここで少し、不動産相続登記についてお話ししたいと思います。

 

そもそも登記は何のためにするのか?

 

不動産登記とは、自分がその不動産の所有者であることを第三者に対抗するための制度です。

ちょっと分かりにくいのですが、例に沿ってご説明します。

 

(例)

Aさん、Bさん、Cさんがいるとします。

Aさんは、所有していた土地をBさんに売りました。

すると、土地の所有者はBさんになります。

 

ところがある日、Cさんが登場し「その土地は私がAさんから買ったものです」と主張してきました。

実はAさんは、Bさんに土地を売って代金を受け取ったにも関わらず、当該土地をCさんに二重売買していたのです。

Cさんも代金は支払っています。

土地の所有権は、誰にあるのでしょうか?

 

この場合Bさんの立場から見ると、土地の売買契約に直接係わっていないCさんのことを、第三者といいます。

Bさんが第三者Cさんに勝つためには、Cさんより先に所有権の登記をする必要があります。

不動産登記の原則は「先に登記を備えた方が勝ち」です。

これを「第三者対抗要件」と言います。

 

つまり不動産登記とは、他人が所有権を主張してきたときに「この不動産は私のものです」と言って対抗するための制度です。

 

 

不動産相続登記で必要なモノは?

 

不動産登記で、所有権移転登記をする時の必要書類は以下の通りです。

・登記申請書

・登録免許税(登記印紙)

・登記識別情報または登記済証(いわゆる権利書)

・登記原因証明情報(どうして所有権が移ったのか証明する書類)

・印鑑証明書

・住民票

・代理権限証明情報(司法書士などへの委任状)

 

登記原因証明情報とは、売買であれば「売買契約書」などが該当します。

相続で名義変更をする場合は、公証人役場や家庭裁判所で効力が証明されている「遺言書」や、相続人全員の同意を得た「遺産分割協議書」などが該当します。

 

詳しくはコチラ

不動産の所有者が亡くなった:法務局

 

引用:法務省ホームページ 

 

 

不動産登記は自分でできる!?

 

不動産登記と聞くと、ついつい司法書士へお願いするものだと思いがちです。

 でも実は、不動産登記は自分でやってもOKです。

もちろんそれなりの知識が必要ですが、専門士業に頼まないといけないわけではありません。

 

但し、相続による名義変更登記の場合は、遺産分割協議で司法書士にお世話になっているケースが多いです。

素人仕事をするよりは、事情をよく知っている司法書士に依頼するのが無難と言えます。

 

一緒に提出すると便利!「法定相続情報証明制度」

 

これは余談なのですが、相続が発生すると銀行や取引先など、あちこちで手続きが必要です。

しかし、行く先々で戸籍などの必要書類を提出するのは、なかなかの負担です。

そんな時に便利なのが「法定相続情報証明制度」です。

 

平成29年にスタートした制度なのですが、法務局で所定の手続きをすると、相続人と被相続人の関係を証明する書類を発行してくれます。

手続き費用は無料で、希望した枚数を発行してくれます。

 

申請書の作成など多少の手間は掛かりますが、自分でも申請が可能なので、作っておいて損はありません!

 

以上、不動産相続登記のご説明でした!