相続税の計算方法や計算例

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前回の記事では相続税の現状をご紹介しました。
この記事では相続税の計算方法や計算例と共にご紹介します。

 

 

相続税の計算方法

財産を相続予定の人やすでに相続した人は自分にどのくらいの相続税がかかるのか不安ではないでしょうか。
相続税自体が課税されるかどうかも不安に感じるはずです。
相続税の税額の把握や相続税の課税の有無について判断する助けとして、相続税の基本的な計算方法をご紹介します。

 

相続税の計算は7つのステップで行います。

 

 

まずは遺産と相続人を調査する

相続税の計算をするときはまず遺産と相続人の調査をしなければいけません。
法定相続人の数は基礎控除など相続税の計算に関係します。
また、遺産について明確にしておかなければ相続税の計算ができません。相続税とは遺産への課税だからです。

 

 

相続税の計算をする前提として、まずは相続人と遺産について調査しておきましょう。
相続人や遺産の調査が難しい場合は弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
また、相続税の詳細な計算には専門知識を要するため、計算が難しいと感じた場合や詳細な相続税額を知りたい場合も税理士などの専門家に相談してみるといいでしょう。

 

 

相続税の基礎控除を計算する

遺産が相続税の基礎控除の範囲内であれば相続税の課税はありません。
遺産や相続人の調査が終わったら相続税の基礎控除を計算します。
相続税の基礎控除の算出にはすでに説明した相続税法改正後の計算式を使います。

 

3,000万円+600万円×法定相続人の数

 

法定相続人の数のところには相続税計算の最初のステップで調査した法定相続人の数を当てはめてください。

 

 

遺産の財産ごとに相続税評価

遺産の中にはすぐに相続税に使う評価額がわかる財産と容易には分からない財産があります。
現金や預金は金額(評価額)がひと目で分かりますが、不動産などは見ただけでは評価額が分かりません。
美術品や宝飾品なども即座に相続税の計算に使う評価額が分かるわけではありません。
そのため遺産の財産の種類ごとに相続税の評価額を算出する必要があります。

 

 

遺産の計算や仕訳を行う

不動産や預金などプラスの遺産を計算します。

たとえば預金が5,000万円で不動産の評価額が2億円の場合は遺産総額2億5,000万円です。
相続には負債も関係しますので負債についても計算が必要になります。
負債がプラスの遺産を上回っている場合には相続放棄や限定承認などの裁判所手続きを早めに検討することが重要です。

 

 

注意したいのは遺産に含まれるのか判断が難しい物です。
被相続人の家に神棚や位牌があったらどうでしょう。
神棚や位牌については相続税評価を行い遺産総額に含めなければならないのかと思うかもしれません。

 

 

相続税には非課税財産が定められています。
位牌や仏壇、神棚などは代表的な非課税財産です。
この他に国や地方公共団体、特定の公益法人などに寄付した財産も非課税財産として扱われます。

遺産総額を計算したら次は遺産から相続税の基礎控除を引きます。

 

 

相続税の総額を計算する

法定相続人たちが仮に法定相続通りに相続したものとして各相続人の相続税額を計算します。
各相続人の相続税額が出たらすべて足して相続税の総額を求めます。

 

 

相続税の税率は遺産額により変動する仕組みです。
相続税額が1,000万円の場合は相続税率10%、1,000万円を超えて3,000万円までになると相続税率は15%になります。
遺産が6億円を超えると相続税率は最大税率である55%が適用されますので、相続税の税率は10%~55%の間で変動するかたちです。

 

 

注意したいのは遺産の額に応じた控除額が定められている点になります。

 

 

遺産1,000万円以下については控除なしになりますが、1,000万円を超えて3,000万円までになると50万円の控除が定められているのです。
控除は相続税率に伴い変動し最高で6億円超の7,200万円まで上がります。
相続税の計算をするときは控除額を忘れないよう注意してください。

 

 

各相続人の相続税額を計算する

相続人すべての相続税額をプラスしたものを改めて各相続人に配分して相続人個人の相続税額を算出します。

なぜこのような流れで各相続人の相続税額を計算するかというと、法定相続通りに相続人たちが遺産を相続するとは限らないからです。

 

 

遺産分割協議によって遺産分割を自由に決めることもあるため、法定相続による相続が行われたものと仮定して各相続人の相続税額を計算してその相続税額を足し、あらためて遺産分割に合わせて相続人に相続税を分配する流れで計算します。
以上が相続税の基本的な計算方法です。

 

 

相続税の計算例

相続税の基本的な計算方法を説明したところで相続税の試算例についても解説します。
相続税を計算するときの参考にしてみてください。

 

 

父親が亡くなり相続人は母親(配偶者)と子供が3人という相続人計4人のパターンです。
遺産は次の通りになります。

 

  • 預金と不動産の合計 8,000万円
  • 死亡保険金 2,300万円
  • 負債 1,000万円
  • 葬儀費用 400万円

 

この相続パターンでは被相続人の生前に贈与などはありませんでした。
使える特例を探した結果、相続税の配偶者控除が利用できることが判明しています。
以上の条件で相続税を試算します。

 

 

まずは遺産や負債を計算する

相続税額を計算するためにも遺産や負債の計算をしなければいけません。
遺産の中に生命保険金がありますので、生命保険金の非課税枠を使って計算を行います。
生命保険金は「500万円×法定相続人の人数」が非課税枠です。
生命保険金は2,000万円が非課税枠になりますので、相続税の計算に含めるのは300万円分になります。不動産や現金と合わせて8,300万円です。

 

 

遺産のプラスである8,300万円から負債や葬儀費用を引きます。
負債と葬儀費用の合計金額である1,400万円を引くと残りは6,900万円です。
さらに6,900万円から相続人4人の基礎控除である5,400万円を引くと相続税の対象になる残りは1,500万円という計算結果になります。

 

 

相続人の相続税額を計算する

相続税の対象になる財産を算出したところで相続人全員に法定相続分を配分します。
配偶者が750万円で子供が250万円ずつになり、それぞれの遺産に応じた相続税を計算するという流れです。

 

 

相続税額は配偶者が75万円で子供たちが25万円ずつになります。
相続税総額は150万円です。
この相続税額を相続人の遺産分割協議などに合わせて配分することになります。

 

 

ただし相続税には控除や特例というものがあり、控除や特例を使える場合は相続税負担を軽減可能です。
配偶者と子供3人の相続ケースでは配偶者控除が使える可能性があるため、他の控除や特例と合わせて条件を確認しておく必要があります。
仮にこの相続ケースで配偶者控除を使う場合は配偶者分の相続税が0円になり、相続税総額は75万円に変化するのです。

 

 

相続税の計算方法について解説しました。

相続税の計算は流れだけ見ると単純です。
しかし遺産に合わせた相続税評価などは相続税のルールや法律の深い知識を持っていないと算出が難しいなど、流れだけ追えば相続税を計算できるというわけではありません。

 

自分で相続税の計算をしてもあくまで試算でしかなく、実際の相続税額とはズレが生じてしまう点も注意が必要になります。

相続税がかかったケースの平均額は約1,800万円!

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遺産に対する課税が相続税です。
相続があると必ず相続税が課税されるわけではなく、遺産が基礎控除以下だと相続税の支払いは原則的に必要ありません。

 

 

遺産は相続人の今後の生活の基礎になる財産だからこそ、課税により相続人の生活が困らないよう相続税の仕組みを工夫しているのです。

 

 

日本で相続税が課税されるのはどのくらいの割合なのでしょうか。
また、支払われる相続税の平均額はどうなっているのでしょう。
この記事では相続税の現状をご紹介します。

 

 

相続税が課税される人の割合は平均9%

国税庁「令和元年分 相続税の申告事績の概要」によると相続の際に相続税を支払う割合は相続100件中平均9件となっています。
相続税はすべての相続ケースで支払いを要するわけではなく、実際に相続税の支払いが必要になるのは100の相続が起きるとそのうちの9件しかないということです。

 

 

逆に考えると100件相続が起きてもそのうちの91件については相続税の課税が発生しないことになります。

平成30年と令和元年の相続税の課税状況を表で見てみましょう。

 

  平成30年 令和元年
被相続人数 1,362,470 1,381,093
相続税の申告をした被相続人数 116,341 115,267
課税割合 8.5 8.3

 

平成30年と令和元年の課税割合を見ると平均9%で推移しているのが分かります。
相続税の課税割合は平成27年に平均4%から平均8~9%台へと急増しています。
以降の相続税の課税割合は令和元年まで同様に平均8~9%で推移している状況です。

 

 

平成27年の相続税法改正により課税割合が急増

なぜ平成27年に相続税を課税されるケースが急増したのでしょうか。
急増の理由は相続税ルールの改正です。

 

 

平成27年に相続税のルールの「基礎控除」が改正されました。

相続税の基礎控除とは「この金額の範囲内であれば相続税が発生しない」という枠のことです。
平成27年の相続税法改正により従来の基礎控除が大幅に縮小された結果、相続税が課税されるケースが爆発的に増えてしまったのです。

 


参考として平成27年までの相続税基礎控除と相続税法改正後の基礎控除を比較してみましょう。

 

●平成26年までの相続税基礎控除
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

 

●平成27年相続税法改正後の基礎控除
3,000万円+600万円×法定相続人の数

 

 

このように基礎控除の計算式自体が相続税法改正前と後ではかなり違っています。

それぞれの計算式を使って基礎控除を試算してみます。
法定相続人の人数を2人で試算すると相続税法改正前の計算式では基礎控除が7,000万円ですが、相続税法改正後の計算式では基礎控除が4,200万円という計算結果です。
前者では遺産7,000万円まで相続税の課税はありません。

 


対して後者では4,200万円を超えると相続税の課税対象になってしまうのです。
相続税法改正によって相続税基礎控除の枠が大幅に縮小されたため、結果的に基礎控除の枠からはみ出してしまう相続ケースも増えました。
平成27年から相続税を課税される平均課税割合が一気に2倍近くまで増えている背景には、相続税法改正という事情があるのです。

 

 

支払った相続税の平均額は約1,800万

相続税の支払いが必要になるケースでは平均どのくらいの課税が発生しているのでしょう。
相続税の平均課税額についても見てみましょう。

  

  平成30年 令和元年
課税価格  162,360億円  157,843億円
相続税額  21,087億円  19,754億円

被相続人1人あたりの課税価格

 13,956万円  13,694万円
被相続人1人あたりの相続税額  1,813万円  1,714万円


 国税庁「令和元年分 相続税の申告事績の概要」によると相続税の支払いが必要になるケースでの平均税額は平均1,800万円となっています。
平成30年と令和元年では1,700万円~1,800万円で推移していますから、相続税の平均額は1,800万円ほどということになるはずです。

 

 

相続税額の平均は平成27年から平成29年についてもあまり変化がありません。
平成30年と令和元年と同じように相続税額の平均が1,700万円~1,800万円で推移しています。

 

 

近年の相続税について総括すると「課税されるケースの割合が増え、相続税額は平成27年以降1,700~1,800万円が税額の平均になっている」ということです。

 

 


今回は相続税の平均について紹介しました。

次回は相続税の計算方法や計算例について解説します。

相続税の計算をするときは専門家に相談し正確な相続税額の把握に努めてはいかがでしょう。
そのうえで相続税対策や申告を進めてはいかがでしょうか。

皆さんの参考になれば幸いです。

相続財産の登記、ほんとに必要なの?

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相続財産の中に不動産が含まれていたら、、、

遺産分割が済んだら登記をしなくちゃなーと思いますよね。

 

 

 

しかし日本全国に所有者が不明の土地がものすごい数に上るのをご存じでしょうか。

法務省が2017年6月に発表したサンプル調査においては、「最後の登記から40年以上経過する土地は大都市で6.6%(宅地に限ると5.4%)、中小都市などで26.6%(田畑で23.4%)あります。」(2017年12月31日付日本経済新聞朝刊『所有者不明の土地、なぜ増加?相続時に登記義務なし』より引用)

 

 

 

相続財産を登記しないで放置しているため所有者が不明の土地が増えているということなのだそうです。

 

 

 

 

せっかく相続したのに登記しないのはなぜなのか、

登記しないとどのようなことが起こるのか、今回は簡単にまとめて説明したいと思います!

 

 

まずは、なぜ相続登記されない土地が上記のように広大になっているのかについては、

下記の2つが大きな原因になっていると私は思っています。

 

 

 

①相続登記には期限がなく、法的な義務がないこと

とすると、不動産登記は相続した土地の価値があまりないのに、費用だけがやたらかかるとなったら、あなたは登記しますか・・・?

上記の日経新聞の引用を見ると、大都市よりも中小都市の方が所有者不明の土地が多いことがわかりますよね。

登記には登録免許税(固定資産評価額の1000分の4)がかかりますし、お金をかけてまで登記したくないと考えるのでしょう。

 

②手続きが面倒くさい

不動産の相続の登記の申請自体は、本人でもできますが、集める書類も多く面倒なのが厄介です。司法書士に依頼すればいいのですが、そうすると報酬も支払わなくてはなりません。

そうすると、あまり価値のない土地などをわざわざ登記したくないと考えるのもわからなくもありません。

 

 

 

では、相続登記をしておかないことで、受けるデメリットはなんなのでしょうか。

 

 

 

①相続人が相続した不動産の登記をしないまま、さらに亡くなるとまた相続が発生し、妻や子に、孫にというようにどんどん相続人が増えていきます。そうすると、だれが相続人であるかの確認も手間になりますし、協議を行うにしてもなかなか同意が得られないなんてこともあるかもしれません。

 

そうすると弁護士やら、司法書士やら結局専門家の助けが必要になるわけで、相続登記を後送りすることで結局費用がかさみます。

 

②不動産を速やかに売却したり、抵当権をつけたりできない。

相続の協議が済んで、不動産を相続人の一人が相続することになっていたとしても、相続登記がされていなければ、他人から見れば、相続人全員で共有していることになります。

 

良い買い手が見つかったので急いで売却したい、と思っても相続登記を行ってからではないと売却できません。場合によってはチャンスを逃すこともあるかもしれません。

 

③他の相続人が勝手に自分の法定相続分で登記して、持ち分を他人に売却してしまった。

またはほかの相続人の債権者が勝手に法定相続分の登記をしてしまった、など。

登記をもたもたしている間に、他の相続人の意図や状況等で、他人と不動産を共有してしまうことになります。こういうことは実際にあって、買取を迫られることもあるそうです。

 

 

 

以上、なぜ、相続登記がされないのか、と、相続登記をしないことのデメリットを簡単に説明しましたが、皆様はどのようにお考えになったでしょうか。

 

 

 

 

 

そもそも価値があまり感じられずに、登記もしないでいるような土地・家屋は相続放棄すべきなのではないかな、と私見ですが思いますし、特に建物が残っていたりする場合はそれが壊れたりなどして、なんらか他人にけがなどさせたりする場合は責任の所在が分からなくなりますし、よくない事ではありますよね。

 

 

 

国は相続登記の義務化を進めています。

時限措置として、2018年4月1日から2021年3月31日までは一代前の相続登記にかかる登録免許税を免税にする特例があるそうです。

 

 

 

以上が私が調査した結果ですがご参考としていただき、相続登記は重要なことなので、必ず専門家(弁護士・司法書士)に相談して最新の法令を確認し、適切な対応をとれるようにしていただければ幸いです。

 

 

相続人がいないと相続財産はどうなる?

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2015年の国勢調査では、男性の生涯未婚率は24.2%、女性は14.9%となっています。

結婚をされていないとは配偶者や子供がいませんので、相続人は自分の親と兄弟になることはいつかご説明してきたかと思いますが、

 

もし自分の親はすでに亡くなってしまっていて、兄弟もいない一人っ子だったら、、、

相続人が全くいない方の相続はどのようになるのでしょうか。

もしその時に不動産があったら、それは誰の持ち物でもなくなってしまうのでしょうか。

 

 

 

今回は相続人がいない場合の相続について、書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

相続人がいないということは、一人っ子の場合だけでなく、相続人全員が死亡してしまっている場合や相続人全員が相続欠格であったりする場合もあります。

また、プラスの財産よりもマイナスの財産が多いために相続人全員が相続放棄を選択した場合も相続人がゼロということになります。

 

 

 

そのような時は、相続人ではないけれども、特別縁故者(不動産の共有者、内縁者、被相続人と生計を共にしていた人)や、債権者から「相続財産管理人の選任申立て」が家庭裁判所になされることがあります。

 

これは、相続財産を管理する者のことで、通常は弁護士などが家庭裁判所に選任されます。

相続財産管理人は、被相続人の債権者には支払いを行って、財産の精算を行います。最後に残った財産は最終的に国庫のものになります。つまり、行先のない相続財産は、最終的に、国のものになってしまうのです!

 

 

 

 

相続財産の管理人は、下記の流れで相続人や、相続債権者を探します。

 

 

①第1の公告・・・家庭裁判所が相続財産管理人を選任する旨の公告を、官報で2か月間掲示して、相続人に申し出るようにお知らせします。

この間、相続財産管理人は、相続財産の整理や、清算、弁済などの手続きを行っています。

②第2の公告・・・上記の第1の公告を経ても相続人が見つからなければ、相続財産管理人は、2か月以上の期限を定めて、債権者や受遺者(被相続人から財産を受け取る予定があった人)に請求を申し出るよう公告をします。この広告は2回目の相続人捜索の公告の意味もあります。

③第3の公告・・・相続人捜索の公告。相続財産管理人は、6か月以上の期限を定めて、相続人に自身の権利を主張するように求める公告をします。これは相続人の不存在を確定させる公告でもあります。

 

この公告期間が経過すると、相続は終了し、名乗り出なかった相続人や債権者、受遺者も今後請求する権利をなくします。

 

 

 

 

そうして、相続人の不存在が確定すると、特別縁故者(不動産の共有者、内縁者、被相続人と生計を共にしていた人)が、「財産分与請求の申立て」を家庭裁判所に申し立てることができるようになります。申立てには期限があって、相続人不存在の公告が終了してから3か月以内です。

 

 

 

家庭裁判所は、特別縁故者がどのような人なのか、分与を求める財産の内容、縁故の度合い、生活の状況などを考慮して、分与の審判もしくは申し立て却下の審判をします。

 

※ここで、私の仕事ともかかわってくるのですが、不動産の共有者は特別縁故者にあたる者がいない場合や、上記の財産分与請求の申立てが却下されたとき、共有する不動産の相続財産分を受け取ることができます!

 

 

 

 

分与の審判がされれば、相続財産管理人は、特別縁故者に財産を引き渡しますし、特別縁故者からの申立てもなく、期限の3か月が経過したときは、家庭裁判所に終了の報告書を提出して、最終的に相続財産は国のものになります。

 

 

 

 

ここまで約1年かかります!とても長いです。

それに相続財産管理人を選任するのに費用も掛かります。

特別縁故者も、財産分与請求の申立てを行わないと財産分与してもらえません。

 

 

 

 

自分の相続財産が最終的に国のものになってしまうのなら、だれかに財産を残すよう遺言書を作成することなども検討したいところです。

 

慈善団体等に寄付をする場合も遺言でできるそうです。

 

 

不動産の共有者、特別縁故者の方は上記をご参考にしていただき、ぜひ弁護士などの専門家にもご相談くださいね!

 

借地権の相続ってどうなるの?

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借地権、ってご存じでしょうか。

借地とは他人の土地を借りることです。

借地権の価格は更地価格の5~7割程度とされていて、かなり価値が高いものになります。

 

 

でも借地人が亡くなってしまったら、その借地契約自体が無くなってしまうのでは!?住んでいる私たちはどうなるの!?と思う方が多いと思います。

 

 

 

今回はこの借地権の相続について、書いていきたいと思います。

 

結論からお伝えしますが、、、

借地権も権利の一つですから、現金・預金、株式、不動産のように相続財産に含まれます。

つまり、借地契約の途中で借地人が死亡した場合には、借地人の相続人が借地権を相続することになります。

 

 

さらに、借地権を法定相続人が単純に相続する場合、相続について地主の承諾を得ることは不要です。相続がされました、と事後報告で十分です。

ですので、借地権が亡くなった借地人から相続人に相続されたことを理由に、地主が承諾料や、名義書換料を請求してきたとしても支払う必要はありません。

 

 

注意してもらいたい点としては、相続がされる借地権の契約期間についても、元の賃貸借契約のまま引き継がれるということです。

ということは、契約期間が20年で、15年が経過した時点で、借地人が亡くなった場合、相続されるのは5年の借地の契約です。

 

 

 

法定相続人が複数いて、借地権が複数人で相続される場合は、どうでしょうか。

この場合は借地権が細分化されてしまい、地主に不都合や不利益になることも考えられるため、承諾を得ておく方が良いでしょう。

 

 

法定相続人が、単独で相続する場合、は承諾料や名義書換料は支払わなくて良いのですが、

遺言があったりして、法定相続人以外の人が、借地権を相続するような場合は、借地権が譲渡された、と考えられるため、地主の承諾が必要になります。

 

 

この場合の流れとしては、地主に承諾を請求→地主が承諾→借地権上の建物の所有権移転登記、となります。

承諾料や名義書換料も求められるかもしれません。

 

 

もし地主から承諾が得られないような場合は、話がこじれる可能性が高いので、まずは弁護士に相談してみてください。

このような場合に、とれる手段としては、裁判所において、「地主の承諾に代わる許可の裁判」(借地借家法第19条)を起こすことです。

 

では逆に、地主さんが亡くなってしまった場合、借地権はどうなるでしょうか。

 

 

地主さんが亡くなると、借地権付きの土地が、地主さんの相続人に相続されます。

この際、地主としての法的地位も相続人に相続される、と考えます。

つまり、借地権契約はそのまま継続しますので、借地人の皆さまはご安心ください!

当然、地主の相続人は借地人に対して地代を請求できますので、借地人の方は地代も相続人の方に支払ってくださいね。

 

 

また、借地権の相続を受けたら、借地上の建物の登記を被相続人から相続人に移すことで、借地権自体の登記をする必要はありません。

 

 

借地上の建物の登記があれば、借地権を第三者に対抗できます(借地権者であることを主張できます。)。借地権の登記の代わりになる、ということですね(借地借家法10条1項、旧建物保護法1条)。

 

いかがでしたでしょうか。

借地権は場所によっては、かなり高額な価値のあるものになります。相続税のあたりも気になるところですし、相続の際に売却する、といったケースも考えられますし、論点がいろいろありそうです。

売却の際には承諾料を請求されたり、地代の値上げを要求されることもあります。

 

 

 

実は私の実家は、借地権付き建物なのですが、先代の地主さんと祖父が懇意にしていて、特別な契約内容を結んでいたところ、

先代が亡くなって、息子さんの代になったところ、これまでの地代分を上乗せした地代に変更したい、建て替えるのなら更新料2000万円を払え、という請求がされて困ったことがあります。

 

父が弁護士に相談したので事なきを得ましたが、このように借地権に関するトラブルは数多く存在すると考えられます。

 

そのような時はこちらの記事をご参考に、ぜひ弁護士にご相談くださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

相続財産の調査方法

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故人の遺言があればいいのですが、突然に亡くなられてしまった方など、

相続財産がどこに、いくらあるのか、見当がつかない場合があります。

 

 

相続財産、と聞いて、すぐに思いつくのは不動産や預貯金ですね。

あとは、自動車や貴金属類、目に見えるものなどでこの辺りはすぐに見つかるでしょうか。

 

 

その他にも、有価証券(例えば、株、国債、社債など)や、

ゴルフ会員権や、リゾートクラブの会員権、

事業をされていた方なら売掛金、年金受給者なら未収の年金や、未請求の高額療養費なども相続財産です。

 

 

また、これは珍しい例かもしれませんが、

故人が技術者であったりすると、特許権や実用新案権などをお持ちの場合もあります。

また、作家、作曲家などであれば著作権を持っていたり。これらも相続対象の財産です。

 

 

一方でマイナスの財産も、また相続対象となります。

例えば、ローン、借金などの債務、未納の税金、未払いの医療費や、

連帯保証人になっていればその地位も相続対象です。

 

 

 

以上は、個人から、どこに・いくらあるのかと聞いていればよいのですが、聞かされていなければ、調査が必要になってきます。

相続財産を調べるにはどうしたらよいでしょうか。

 

 

 

まずは、言葉が悪いですが、、、、、家探しをしましょう!

 

 

 

大事な書類は、金庫の引き出し、机の引き出し、本棚や仏壇などにしまわれていたりします。

あとは、パソコンの内容を確認できれば、メールや家計簿などからどんな資産があるか判明することがあります。

防犯対策で冷蔵庫や、植木鉢に大事な通帳や印鑑を隠していたりする例もあります。通帳がみつからなくても、金融機関のノベルティなどがあれば、その金融機関に口座を持っている可能性があります。

 

次は、郵便物のチェック。

 

金融機関からハガキや住所確認の封書が届いていませんか?役所から固定資産税の通知書が届いていたりしませんか?ローンの残高のお知らせも郵便で届いていたりします。

 

 

 

こうして、預貯金がありそうだという当たりをつけたら、残高証明書の発行を依頼します。

 

残高証明書とは、名義人が亡くなった時点での預貯金の口座残高を証明する書面です。これに記載された金額が相続される金額になります。

 

 

申請できるのは相続人などの相続権利者で、被相続人の死亡が確認できる書類と、申請者自身と被相続人の関係性がわかる戸籍謄本、申請者の実印・印鑑証明書、被相続人の通帳など(もしあれば)、などですので金融機関に念のため確認してください。手数料は金融機関によって金額が異なるので、問い合わせを行ってください。(例:三井住友銀行の場合、880円)

 

もし、保有している口座が全くわからない場合は、自宅近辺にある金融機関に口座がある可能性は高いと考えられますので、問い合わせてみると良いでしょう。

 

 

家探しをして、固定資産税の納税通知書が見つかりましたか?もしくは、ローンの残高通知書など、権利証や登記識別情報でもよいです。

 

 

不動産の存在の可能性があり、具体的な所在地がわかるなら法務局で不動産の登記事項証明書を取得しましょう。

登記事項証明書は最寄りの法務局で誰でも取得でき、1通600円です。

 

 

固定資産税関係の書類が出てきたら、その自治体(東京都の区民の場合は区の都税事務所)で、名寄帳(固定資産税課税台帳)を閲覧しましょう。

名寄帳では、その市区町村内にある個人所有の不動産がわかります。

 

必要書類は、

①申請書②本人確認書類(運転免許証など)③相続人であることがわかる戸籍謄本④被相続人の死亡の事実が確認できる除籍謄本の各原本です。

手数料は、都税事務所においてですが、所有者ごとに300円です。郵送で申請することもできます。

 

名寄帳を確認する上で注意するべき点は、あくまでも名寄帳は課税されている土地の台帳であるため、自宅前の私道などは登記されていないことがある点です。

もし被相続人の所有不動産の周辺に私道があったら、その部分の登記事項証明書も取得してみると、所有しているかどうか確認できます。

 

 

 

このように、手続きは手間がかかりますし、煩雑で難しいと考えられましたら、行政書士や司法書士などの助けを借りるのも良いかもしれませんね。

 

 

さて、今回はプラスの財産についてどのように調べるかばかりを書いてしまって、マイナスの財産については触れられませんでした。。こちらも重要です。

マイナスの財産の調査方法についても、いずれ書ければいいなと思います。

 

相続人の範囲について 相続人は誰?確認する方法

相続人とは、亡くなった人(被相続者)の遺産を相続する権利のある人のことを言います。

 

遺言執行人など、弁護士等の専門家が存在しているような相続案件の場合でしたら、その専門家が相続人を調査してくれますが、

たいていの場合、自分たちで相続人を確認しなければなりません。

だれが相続人に該当するのか、その調査が煩雑な場合があるので方法をご説明します。

 

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まずは法律で決まっている相続人について、

 

常に相続人になるのは、『配偶者』です。

配偶者とは、婚姻をしている相手のことです。

 

その次の相続人は、『子』です(第一順位)。子がすでに亡くなっている場合は、孫(代襲相続と言います。)、孫もすでに亡くなっている場合はひ孫が相続人になります(再代襲相続と言います。)。

また、もし養子がいれば、養子も実子と同じ相続人ということになります。

 

子がいない場合、亡くなった方の父母が相続人になります(第二順位)。父母が亡くなっている場合は祖父母が相続人になります。

亡くなった方が養子であった場合は、養親が相続人になります。

 

子も、生存している父母、祖父母もいない場合は、兄弟姉妹が相続人になります(第三順位)。兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥・姪が代襲相続します。

 

上記の相続人の中でも、相続人になれない場合があります。

それは・・・あまりないことですが、被相続人の方を殺してしまったり、生前に被相続人に対して虐待などしてしまっていた場合です。これを相続欠格というそうです。

 

恐ろしいことですが、家族間でこのようなことがあった場合は、当然、被害者の方の財産を相続させるわけにはいかないですよね。当然といえば当然です。

 

 

さて、話を戻しますが、相続人の確定の仕方ですが、家族それぞれ仲が良く、だれが今どのように暮らしていて、何歳で、どこに住んでいるか、、、などが判明している場合は、上記の通りでしかないので簡単です。

 

 

確認が煩雑になってくるのは、配偶者がいない、子がいない、両親も亡くなっていて、兄弟姉妹と疎遠になってしまっている方です。

そのような方の場合、一番近しくしていた親族が相続人を調査しなければならなくなってきます。

私も仕事上で、実際にそういうケースを何度も見てきました。

 

相続人を確認するには、亡くなった方の一生分の戸籍を確認する必要があります。

亡くなった方の死亡事項の記載がある戸籍(除籍謄本)だけでは、相続人が誰なのかわからないのです。

戸籍は、転籍や法改正、結婚などでその都度新しく作られ、その際は、旧情報の戸籍は新しい戸籍に引き継がれず、相続人全員の確認ができないためなのです。

 

ですので、相続関係を証明するめには、亡くなった方の一生分の戸籍をさかのぼり順番に取得する必要があります。

具体的には、

最後の戸籍の戸籍事項を見ます。改製により作成された戸籍の場合は改製原戸籍を取得します。結婚により作成された戸籍の場合は、従前戸籍の欄を見て結婚前の戸籍を取得します。

これを繰り返して、出生したときの戸籍まですべて取得します。

こうして、他に相続人が本当にいないのか、ということを確認していきます。

 

一生分の戸籍を見ないと、離婚した元の夫や妻のところに、子がいたりすることもあるので抜かりなく行う必要があります。

 

兄弟姉妹が相続人になる場合は、両親の戸籍もさかのぼって取得し、他に兄弟姉妹がいないこと(両親にほかに子がいないこと)を証明しなければなりません。

 

併せて、相続人の現在の戸籍を取得して、相続開始時点で生存していて、相続の権利を持っているということを確認することも必要です。

 

相続人を確定する作業は、とても大変ですし、これまで戸籍になじみがない方にとっては、戸惑うことかもしれません。

 

戸籍は、相続人であれば役所で被相続人との関係性を証明すれば取得できますし、弁護士など専門家に依頼すると職務権限で取得することができます。

 

おすすめはご自身でできるだけ頑張って戸籍を収集して、最後のチェックを弁護士や司法書士にしてもらう方法です。

そうすると、専門家も手間が省かれるので相談料が安く済みます。

 

今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

こちらのブログに書いたことはご参考までに、詳細は弁護士等にご相談することをお勧めいたします。

 

 

 

そもそも相続とは?

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不動産と相続に関係するいろいろなお話をさせていただいてきましたが、

 

 

今回はそもそも相続とは何なのか、

どのような時に、だれが相続に関係することになるのか、という基本的なことを書いていきたいと思います。

 

相続は、どなたかが亡くなると必ず発生することなので、だれでも当事者となる可能性があります。

 

 

そもそも相続とは、『遺産相続』のことで、亡くなった方の財産を引き継ぐ手続きのことです。

亡くなった方が遺言書を残している場合は、原則として遺言の内容に従って相続を行います。

遺言がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、財産の分け方を決め、決まった内容に従って、名義変更等の手続きをします。遺言がない場合は、相続員全員がそれぞれの相続について、手続きを行う必要があります。

 

財産とは現預金、有価証券、不動産、車等の資産にかぎらず、借金、ローン、医療費の未払金などの負債も含まれることに注意していてください。

 

また、相続の手続きは期限があるものが多いので、「いつまでに」「何をすべきか」を確認して、相続税がかかるかどうかを見極めましょう!

ですので、こちらのブログで下調べをして、行動に移してください。

 

 

相続の開始は亡くなった方(被相続人)が死亡した日です。

 

まずは、四十九日くらいまでに、だれが相続人か、遺言があるかないかの確認、どんな財産があるか、をチェックしておきましょう。

被相続人の死亡の記載がある除籍謄本も忘れずに。

 

もし負債(借金等)が財産の大半を占めるようであれば、通常は、『相続放棄』をします。相続放棄をすると、資産も負債もいっさい相続しません。

相続放棄は、「相続があることを知った日」から3か月以内にしなければなりません。

期限を過ぎると、負債の相続もしなくてはならないので、ここは本当にご注意ください!

 

次に4か月以内くらいを目途に、被相続人が事業を行っていると所得税の確定のために『準確定申告』の必要がありますし、『遺産分割協議』をして、『遺産を相続』します。具体的な相続の方法はまた別途のお話にすることにして、相続の手続きを無事に終えたら、『相続税申告』の準備まで行っておきましょう。

 

相続税の申告が不要の場合は、ここまでで手続きはおしまいです。

 

大事なのはこのあと。

被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に『相続税の申告書を提出』します。期限を1日でも過ぎると、相続税のほかにペナルティとしても延滞税が課せられてしまいますので注意してください!

 

このあと、被相続人が亡くなったことを知った日から1年以内に『遺留分の減殺請求』、

2~3年後に税務調査があり、申告漏れがあれば追徴課税されます。3年10か月以内が『相続税の特例適用のための分割期限』になります。

 

以上が、遺産相続のスケジュールです。

 

やるべきことの全体と、時期がわかるとホッとしませんか?

 

ひとつひとつの作業は煩雑であったり、専門家の知識を借りた方が良かったりするものもありますが、まずは何をすべきなのか、それを把握しておきましょう。

 

2019年に改正された民法では、遺族のうち配偶者(妻・夫)の『配偶者居住権』を新設しました。残された配偶者が遺産分割の際に、居住権を選択すれば、その配偶者が死亡するまで自宅に住むことができるようになりました。

また、結婚20年以上の夫婦の場合、生前贈与や遺言によって配偶者が居住用不動産(土地・建物)を譲り受けたときは、遺産分割の対象から除外し、配偶者の生活の安定をはかることができる制度も始まりました。

 

このように相続は、近時では法改正があったり、お金が絡んだりと、いろいろと不安に思われる点が多いと思いますので、適宜専門家には相談できるよう、その手配もしておいた方が安心です。

 

 

今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

こちらのブログに書いたことはご参考までに、詳細はぜひ弁護士等にご相談することをお勧めいたします。

 

相続物件に価値のない山林があった場合は相続を放棄できる?

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こんにちは!estate_diaryです。

親世代が農業を営んでいたご家庭の場合、相続の際に山林を受け継ぐことがあります。都市部から離れた山林は買い手がつかず、毎年の固定資産税の分だけ損をしてしまう人も多いでしょう。

それでは、最初から相続しないことはできるのでしょうか。

今回は、価値のない山林の相続についてご紹介します。

山林の相続とは

相続とは「亡くなった人の財産を引き継ぐこと」です。

被相続人(亡くなった人)の財産に山林が含まれていた場合は、亡くなった人の所有権を引き継いで山林の新たな所有者になります。

山林を相続する例は、「元農家の人がかつて使っていた農地をそのまま保有していた」というのが典型例です。

ほかにも、所有していた土地が価格の暴落によって売れなくなってしまった「バブルの負の遺産」といった例もあります。

親が山林を所有していた場合、子供は原則として山林を相続します。相続人が複数いた場合は、誰が山林を相続するのか遺産分割協議を行うことが必要です。

話し合いが合意するまでは、相続人全員の「共有」とされます。

山林相続のメリット・デメリット

広大な山林を相続することに不安を感じる人も多いですが、なにもデメリットだけではありません。

山林相続のメリット・デメリットを紹介します。

メリット

山林の場所にもよりますが、有用な場所であれば林業を行っている業者などに貸し出すことで利益を得られる可能性があります。

拓けた広大な山林であれば、太陽光発電の機材を設置することもできるでしょう。日当たりのよい斜面にソーラーパネルを設置することで、都市部よりも効率的に発電できる可能性があります。

もし金銭的なメリットがなかったとしても、キャンプ場やハイキングなどの場として提供することで地域貢献にも繋がります。

デメリット

都市部から遠い山林は、売却先が少ないことが何よりのデメリットです。坪単価は都市部の土地と比べて圧倒的に低いことが多く、売却で利益を出すことは簡単ではありません。

かといって、まったく放置することもできません。

山林を放置するとどんどん荒れて利用価値が下がっていくため、自分で管理ができない場合は現役で農業などをやっている人や管理業者に管理を依頼することになります。

また、山林と言えども固定資産税が毎年発生します。相続する面積によっては家計を圧迫することもあるでしょう。

価値のある土地だけを相続することはできない

農業や林業をしていない人にとってはメリットよりも、デメリットの方が大きいことが大きいと感じるのではないでしょうか。

「できれば相続したくない・・・」と考えるのが自然かもしれません。

その場合、頭をよぎるのは「相続放棄」です。

結論をいうと「山林を相続しない選択肢」はあります。

ただし、価値のない財産だけを都合よく相続することはできません。

被相続人の財産を相続する場合、原則として価値のある財産もない財産も全てを相続することになります。

相続放棄を行えば相続しないことは可能ですが、最初から相続人でなかったものとされるため、資産価値がある土地や現金まで相続放棄しなくてはいけません。

誰かが山林を引き継ぐことになる

現金の預金や価値の高い不動産(自宅など)がある以上、全員が相続放棄することは現実的ではないでしょう。

誰かがその価値ある財産を相続することになります。つまり、相続人が何人いたとしても、誰かが価値のない財産である山林を相続するわけです。

また、価値のない土地だとしても、相続上の手続き(登記など)は絶対に必要になります。

山林相続の相続税

相続税は山林だけに限った話ではありません。遺産相続によって相続税が発生するため、税務署への申告が必要です。

相続税の申告と納税は、相続開始から10ヶ月以内に完了する必要があります。完了しない場合、無申告として追徴課税の対象です。

まとめ

今回は、山林の相続の概要について解説しました。

価値のない山林でも誰かが相続しなければならず、場合によっては固定資産税に苦しむことになります。

親世代が元気なうちから、土地の活用方法・処分方法について話し合いを進めることをおすすめします。

 

不動産などの相続財産は養子縁組の子でも相続できる?

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こんにちは!estate_diaryです。

今回の話題は「養子縁組」についてです。

相続税対策に養子を持つという話を聞いたことがありませんか?

たしかに有効ですが、際限なく養子を作っても意味がありません。

今回は、相続と養子の関係について解説します。

養子縁組とは

養子とは、養子縁組が成立した日から養親の嫡出子としての身分を取得することです。養子であっても、立場としては実子と何ら変わりはありません。

また、ひと口に養子といっても、普通養子と特別養子の2つがあります。

普通養子

養子縁組をして親子になる意思があれば成立する養子のことです。いわゆる「婿養子」や、孫を養子にする場合が該当します。

普通養子は実の親との関係はそのまま、実親と養親の2つの親子関係が成立します。

特別養子

特別養子とは、実親との親子関係を解消して養親と実の親子の関係を結ぶことです。

養親になることを望んだ夫婦が家庭裁判所に請求するため、家庭裁判所が許可すれば親子になります。

子供が虐待されていた事実や実親の経済的な困窮で育てられないといった理由があった場合に、子供の福祉の増進を目的に使われる制度です。

養子と実子の違い

実の子供から見れば、養子の方が相続で有利になると考えてしまうものです。

しかし、相続上は実子も養子も同じ順位の関係です。養子だから相続で不利になるということはないのです。

遺言等によって養子より実子の取り分が著しく多かったとしても、遺留分が認められます。

養子が相続人になる時の注意点

権利上は実子と同じ養子ですが、相続に参加するうえでは注意点があります。

養子の数には制限がある

相続には、誰でも適用できる基礎控除があります。計算式は以下のとおりです。

3,000万円+600万円×相続人の人数

養子の数が増えるほど、基礎控除は大きくなります。

しかし、養子を無条件に相続人として認めてしまうと、相続対策で養子を何人も作る人が出てくるかも知れません。

そこで、相続人としてカウントできる人数には制限があります。

実子がいない場合相続人にカウントできる養子は2人まで、実子がいる場合は1人までです。

実子ともめる可能性

養子縁組が成立していれば、実子と同じように相続する権利があります。

実子が養子縁組の存在を知らなかった場合、実子が納得できずにトラブルに発展する恐れがあります。

養子縁組をしようと考えた時は、実子が納得した上で行うことが必要です。

養子が養親より先に死亡した場合

実子が親よりも先に亡くなった場合、実子の子供(被相続人から見て孫)は代襲相続の対象です。

一方で養子の場合、養子の子供が代襲相続人になれないケースがあります。

養子縁組のあとで生まれた養子の子は代襲相続人になれますが、養子縁組の前に生まれた養子の子は、代襲相続人にはなれません。

代襲相続が発生した際に勘違いしやすいため、気を付けておきましょう。

養子縁組のメリット

養子は相続人にカウントされるため、前述のとおり基礎控除額が増えます。

そのほか、死亡保険金や生命保険の非課税枠が増える点もメリットです。

死亡退職金・生命保険の非課税枠は「500万円×相続人の数」と決められていますが、養子がいれば非課税枠が増大して節税になります。

相続人が増えれば1人当たりの取り分が減ってトラブルの種になる可能性はありますが、それでも養子になる人が増えれば節税につながるのは事実です。

養子の候補がいた場合は、じっくり家族で考えてみることをおすすめします。

まとめ

今回は、相続と養子の関係について解説しました。

養子と実子の間に権利の差はないため、養子がいれば相続税の圧縮に役立ちます。しかし、1人の取り分が減れば争いになることも考えておく必要があります。

安易に養子を迎えることがないよう、家族で話し合いましょう。

内縁の妻・夫は相続に参加できない?不動産や現金を渡す方法とは

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こんにちは!estate_diaryです。

今回は、いわゆる「内縁の妻・夫」のお話です。

正式に婚姻関係を結んでいない間柄でも、相続が成立するのでしょうか。

内縁の妻・夫に財産が渡るようにするには、どうすればいいのでしょうか。

内縁とは

内縁とは、事実上の婚姻関係にあることです。婚姻届けは未提出のため法律上では配偶者とは認められません。

つまり、配偶者に認められている税金や保険などの優遇を受けることができなくなるということです。

内縁関係には相続権がない

内縁の妻・夫には、すでに紹介したように相続する権利がありません。

長年にわたって実質的な夫婦の関係があったとしても、婚姻届けを出していない以上は相続する権利はないわけです。

法律で権利として認められていない以上、裁判所に訴えたとしても認められることはありません。

内縁の人が相続できる方法

内縁の関係であっても、絶対に相続ができないわけではありません。ここでは、内縁の関係者に財産を渡すための方法をご紹介します。

生前贈与

1つ目の方法は、生前に贈与してしまうことです。贈与は相続とは全く異なる制度のため、内縁の人はもちろん、全くの他人であっても贈与することができます。

内縁のパートナーが死亡した後も、贈与された財産は当然に使用することが可能です。

遺言の作成

もう1つの方法としては、遺言書を作成しておくことが挙げられます。

遺言書がない場合、財産を相続できるのは「法定相続人」のみですが、遺言書を作っておけば、法定相続人以外の人に財産を渡すことも可能です。

遺言で「財産の〇%を内縁の者に遺贈する」等と記載しておけば、財産を受け取る権利があります。

ただし「遺留分減殺請求」が起こるかもしれない点は注意が必要です。

「全ての財産を内縁の関係者に渡す」といった内容の場合、本来の相続人の最低限の取り分(遺留分)を侵害しているために遺留分を支払うように請求を受ける可能性があります。

特別縁故者として相続できる場合も

亡くなった人に法定相続人が1人もいない場合、亡くなった被相続人の世話をしていた人が相続人になれる「特別縁故者」という制度があります。

しかし、実際に特別縁故者になれるかは家庭裁判所の判断次第のため、どうなるかは不透明です。

確実性を増すためには、遺贈・遺言等の方法で明確な被相続人の意思を残しておくことが大切です。

内縁の相続の注意点

遺言や生前贈与なしでは内縁の人に財産が渡らないのはすでにご紹介した通りです。これ以外にも、内縁者の相続には注意しておくべき点があります。

代表的な注意点を解説します。

配偶者の税額軽減が使えない

婚姻届けを提出した正式な配偶者の場合、財産を相続しても最低1億6千万円までは相続税がかからない特例があります。これが「配偶者の税額軽減」です。

婚姻届けを出した配偶者のみが受けられる特例のため、内縁の妻・夫が亡くなっても配偶者の税額軽減を受けることができません。

利用できるかどうかで大幅に相続税が軽減されるため、適用したい場合は婚姻届けを出すことを検討しなければいけません。

小規模宅地等の特例が使えない

小規模宅地の特例とは、相続した家に引き続き住み続ける場合には土地の評価額を最大で80%減額することができる制度です。

評価額5,000万円の土地でも1,000万円まで引き下げることができるため、相続税も大きく引き下げられます。

この特例を適用できるのは「親族だけ」のため、婚姻届けを出していないパートナーは適用できません。

まとめ

今回は、内縁の妻・夫のパートナーが亡くなった時の相続について解説しました。

婚姻関係を結んでいない以上は、原則としては遺産を受け継ぐことはできません。遺言や生前贈与を活用し、パートナーに財産がいきわたるように準備を進めましょう。