不動産を相続する時の評価額は?仕組みや調べ方を解説

こんにちは!estate_diaryです。

相続が発生した時には、様々な遺産に相続税が課せられます。遺産の評価は時価で行われますが、建物や土地といった不動産についても、相続税の算出には建築費や取得時の価格ではなく、時価での評価額が必要です。

今回は、不動産の評価の仕組みや調べ方、さらに戸建て住宅とマンションの計算方法の違いについてお伝えします。

 

土地の評価方法

土地の評価額は、路線価が定められている地域では路線価方式、そうでない地域では倍率方式を使って算出します。

路線価方式

毎年7月、国税庁が公表する路線価図・評価倍率表に基づいて計算します。路線価とは、土地が面する道路ごとに設定された、1平方メートルあたりの土地の価格で、千円単位の表記になっています。

路線価に、奥行価格補正率など、土地の形状に応じた補正を行い、土地の面積を掛ければ評価額が算出できます。補正率は国税庁のホームページに説明があり、土地の面積は固定資産税の納税通知書で確認できます。

倍率方式

路線価が定められていない地域の評価は、倍率方式で行います。固定資産税の納税通知書には、課税資産明細が添付されています。この中に記載されている、土地の固定資産税評価額に倍率を掛けた金額が評価額になります。なお、倍率は国税庁が公表する評価倍率表で確認します。

 

家屋の評価方法

課税明細書に記載されている、家屋の固定資産税評価額と同じです。

 

マンションの評価方法

マンションの場合は、戸建て住宅とは計算方法が異なります。詳しく見ていきましょう。

敷地権(土地)の評価

登記事項証明書(登記簿謄本)に記載されている、地積(土地の面積)に路線価を掛け、さらに持分割合(敷地権の割合)を掛けたものが評価額です。なお、戸建て住宅と同様、土地の形状に応じて路線価の補正を行います。登記事項証明書は法務局に行けば入手できますが、オンラインで申請すると、手数料は100円程度安くつきます。

区分所有する建物の評価

課税明細書に記載されている、家屋の固定資産税評価額と同じです。

 

まとめ

不動産を相続する場合の評価額の算出方法について、基本的な部分を述べてきました。東京国税局のデータによると、平成29年の相続税申告の約4割が不動産関連という結果が出ています。

多くの人が直面する可能性の高いことですので、この記事をぜひ参考にして下さい。基本的なことを押さえた上で、専門家の力も借りることで有効な対策ができるはずです。

 

 



実家や不動産を相続したら何をする?手続きの流れを解説

こんにちは!estate_diaryです。

 

今回は実家や不動産を相続した場合の手続きについて解説していきます。

実家や不動産の相続で初めて相続手続きを行うという人も多いでしょう。

滞りなく進めるためにも、下記の内容を確認してみてください。

 

遺言書の所在確認

遺言書は亡くなった人が最後に発する意志です。

遺言書があれば遺言書の内容が優先されますので、まずはその所在を確認しましょう。

家の中だけでなく、公証人役場や弁護士などの法律の専門家に預けている場合もありますので、よく探しましょう。

 

分割協議が終了してから遺言書が出てくる場合もあり、その場合はもう一度相続のやり直しとなってしまいます。

 

相続人の確定

相続遺産がある場合は、相続人を早く確定させる必要があります。

亡くなった人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を取り寄せ確認します。

複雑な家系の方はしっかり調べてください。

 

後から相続の権利のある人が出てくる場合もあります。

その場合は、もう一度相続のやり直しが必要となります。

 

財産を確認し総資産を明確にする

いろいろと資産がある場合、一度の相続の話し合いで解決できるように目録など資産の一覧を作ります。

納税通知書などで資産の一覧とその金額を算定します。

 

遺産分割協議書の作成

総資産が明確になったら、分割協議(相続の話合い)を行います。

遺言書があればその内容を優先にしますが、遺言書が無ければ相続人全員で協議し、遺産分割協議書を作成します。

 

土地や建物の登記名義の変更

分割協議書をもとに相続の登記を行います

それにより、相続した建物や土地の登記名義が変更となります。

登記には役所の発行した書類が必要となりますので、確認の上用意してください。

 

相続税の納付

相続税の納付は原則相続を知った日から10か月以内となっています。

相続税の計算については後ほど記載していきます。

税金ですので、納付が遅くなれば滞納となりますし、特例などがあれば適用されないこともありますので注意が必要です。

 

※相続税の計算方法(基本)

亡くなった人の総資産は葬儀費用や生命保険以外の貯金・不動産、株などを言います。

相続には基本控除額というものがあり、その計算は「3000万+600万×相続人の人数」となります。

相続税の課税遺産総額は「総資産-基本控除額)」となり、これがゼロまたはマイナスなら、相続税の支払いはありません。

しかし、プラスがあれば、相続の分割按分にあわせて相続税の支払いが発生します。

 

まとめ

相続税の手続きのためにも、分割協議書を作成しておくことをおすすめします。

相続をすることになったら、または相続の予定があるのであれば、一度専門家に相談して、相続の際には税金滞納などトラブルの無いように注意したいものです。

土地を含む財産を相続をする場合の相続トラブルとは!?

こんにちは!estate_diaryです。

 

今回は実家など土地を含む財産の相続についてよくあるトラブルとその原因を紹介します。

 

相続の問題は日に日に深刻化しています。

テレビドラマでもあるように、誰もが遺産相続は揉めるものとして認識していることでしょう。

超高齢化社会となっている今、郊外に戸建て住宅を持っているケースが多いことも相続でトラブルになる原因です。

 

ではなぜ土地や建物の相続は揉めやすいのでしょうか。

 

土地を守りたい相続人がいる

相続に関しては、土地などわけにくいものは売って現金化してわける方法もあります。

しかし、売りたい相続人とそこを守りたい(そこに住みたい、住み続けたい)相続人がいれば、必ず揉めるのが目に見えています。

「売りたい」と「守りたい」は意見が真逆です。

揉めるのは当然の話といえます。

 

土地と建物の所有者が違う

土地は今回亡くなった人(例えば男性)のものだけど、建物はまだ生きている人(例えば今回亡くなった人の奥様)のものである場合は、土地は相続の対象ですが建物は相続の対象にはなりません。

先述した内容とも共通してくることですが、守りたい人と売りたい人が出てくるので、揉めることとなります。

 

ローンが残っている

今住宅ローンを組むと、団体信用生命保険が付いており、住宅ローンを組んでいる人が亡くなった場合は生命保険を元手にローンを相殺することができます。

しかし、例えば別にオール電化のローンを組んだり、太陽光発電のローンを組んだりした場合はローンが残っていることがあります。

その場合は建物や土地の相続にローンも付いてくることとなりますので、揉める原因になることが大いにあります。

 

相続の協議がまとまらない

相続は相続人間で協議した上で、進めていきます。

しかし、協議がまとまらなければ相続できません。

この協議の段階で揉めることが多いのです。

 

遺言書に1人に全てと書かれている

遺言書があれば揉めることが少ないように思えますが、その内容に納得できない相続人がいるとスムーズにはいきません。

1人に全てと書かれていても他の相続人から遺留分の請求があるなど揉める原因の一つとなります。

 

連絡の取れない相続人がいる

何代も前から登記の変更がされておらず亡くなった人のままになっていたり、面識のない人が相続人にいたりする場合、連絡を取るのも大変です。

土地や建物を売ろうと思っても登記が亡くなっている人だと、その親族の子どもや孫、ひ孫に至るまでの意思確認が必要となってきます。

面識のない親族が出てきたり、連絡の取れない相続人がいると確実に揉める原因となります。

 

まとめ

不動産の遺産相続で起きるトラブルと原因について紹介しました。

すぐに対策ができないものでも、どのような場合がトラブルにつながるか知っておくことは重要です。

相続の問題が出てきた場合には、行政書士や司法書士、弁護士などの法律の専門家に相談することも解決への近道となるでしょう。

相続する不動産の分け方にはどんな方法がある?

こんにちは、estate_diaryです。

 

もし、親が亡くなった場合、兄弟でもめるかもしれないのが遺産の相続です。

いつも仲の良い兄弟でも、お金が関わってくると豹変することがあります。

今回は遺産の分割についてお話ししていきます。

 

遺産というと何を思い浮かべますか。

貯金、土地、今の時代ならデジタル遺産などです。

もし遺言書が無ければ、兄弟の人数で等分するのが揉めないコツですが、土地は分割して相続しにくいものです。

もちろん、広大な土地があれば問題なく分割して相続すれば良いですが、そんな場合はごく少数です。

 

不動産を分割して相続する方法とは

では土地の相続はどのように行うのがよいのでしょうか。

分割しにくいものの相続には3つの方法があります。

1.代償分割

特定の個人がその全てを相続し、その他の兄弟には分割した際の受け取り額と同じ額を渡すという方法です。

特定の相続人がそのままそこに住み続けるなら、この方法をおすすめします。

 

2.土地を売却して分割相続する換価分割

土地は分割できないため、土地を売却して代金を分割して相続する方法です。

その土地に引き続き住み続ける相続人がいたなら、この方法は取らないのが良いです。

しかし、誰も利用しないのであれば、この方法が一番的確です。

また、相続税の対策として一番使いやすい状態となります。

しかし、売却するため仲介手数料が発生し、譲渡所得税が発生する可能性があります。

そこをきちんと理解した上でなら、一番メリットの多い相続の仕方です。

 

3.不動産そのものを分割して相続する現物分割

広大な土地を故人が有している場合、これが一番容易い相続の仕方となります。

しかし、土地の境界線上に建物があれば取り壊さなければなりません。

また、道路や土地の形などによっては等分できない場合もあります。

その時は準備するための費用も発生します。

 

分割せずに相続する方法

こちらが一番揉めない方法となります。

それは、相続人全員の共同名義で土地を相続する方法です。

しかし、共同名義で土地を相続しているので、相続人の誰かが土地を売却したり投資に活用したりはしにくいものとなります。

また、現在の相続人の間では問題にならないですが、その子や孫が相続するようになると土地の名義が不明となり、揉める原因となります。

さらに売却などの際は、相続人を調べ、もし亡くなっていたならその子や孫まで調べて説得し納得して売却の同意を得る必要が出てきます。

 

不動産の相続方法を決めて備えましょう

以上、代表的な相続の方法をお伝えしました。

しかし、どの方法で相続するにしても、きちんと財産分割協議書に明記することで税金や今後の調整などもスムーズに行えます。

この財産分割協議書は、司法書士や行政書士などの専門家に作成を依頼し、税法上も問題の無いようにしておく必要があります。

親が亡くなった時、土地を相続すると兄弟間で揉める場合について

こんにちは、estate_diaryです。

あなたには兄弟がいますか。親は元気にしていますか。

 

この質問は今後のあなたの人生にかかわってくるものです。

 

相続は突然発生する

もし突然親が亡くなってしまった時、問題が起こることがあります

今回は、親が亡くなった後に兄弟で揉めてしまう「土地の相続」についてお話ししていきます。

親だけでなく、あなたに子どもがいた場合にも起こることですので、参考にしてなるべく揉めない環境を整えましょう。

 

私は一度だけ裁判所からある書類を届けられたことがあります。

その書類は「70年前の土地の売買契約について」というものでした。

70年前、私の祖父がある方と土地の売買契約を結んでいましたが、契約のみ遂行されて名義の変更がうやむやなままで放置されていました。

70年経って、その契約を結んだ人が亡くなってしまいました。

するとその人の子ども3人が土地を相続します。

しかし、遺言書などが残されていなかったので裁判になってしまったとのことでした。

3人の子どもが相続するにしても、売却して遺産を3分割するにしても名義の変更が必要なのです。

 

まずは売買契約が成り立っているのかを確認するための裁判が始まりました。

私のところに「あなたの祖父が売買契約を結んでいますが、これは成立していますか」との書類が送付されてきました。

その書類につけられていた関係書類は約1センチの厚さでした。

私の祖父から始まる戸籍の関係書類(いとこやはとこなどの名前と現在の状況)、そして相手方の戸籍の関係書類です。

驚くほど詳しく調査されている内容と、契約だけ遂行されて名義の変更をしていないと後々大変であることがよくわかる書類の厚さでした。

それと同時に3人の子どもさんは揉めただろうと言うことがわかりました。

 

親や自分が亡くなったときに揉める事の無いように、次のことを確認しておくことが重要です。

 

揉めないために大切なこと

1.遺言書を作成する

遺言書が無い場合は、3人の子どもがいた場合、3分の1ずつの分割で財産をわけて相続します。

しかし、「自分が親の面倒をよく見ていた」などの理由により揉めることも多いのが現実です。

いくら仲の良い兄弟でも現金などが関わってくると揉めてしまいますので、自分で意思決定できるうちに遺言書を作成しておくのが良いです。

 

2.わけにくいものは多めに残さない

土地などのわけにくいものは多く残さないのが良いと言えます。

相続に関しては名義変更などの手続きの確認も必要になり、早急に相続できないこともあります。

 

3.思ったよりも遺産が多いと揉める

残る遺産が多ければ多いほど揉めます。

遺産が多い場合は遺言書を作っておくほうが良いと言われます。

 

親の土地相続で揉めないために

実際、遺言書を作っていても遺留分(介護を多く受け持ったなど)で揉めることも多いのが現実です。

 

公証人役場で遺言書を作成して預かってもらうこと、司法書士や行政書士などの専門家に任せてしっかり遺産分割協議書を作ることが残されたものが揉めないために必要なことと言えるでしょう。

相続放棄を強制された!? 対処法や注意点

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こんにちは!estate_diaryです。

今回は相続放棄を強制された場合の対処法についてご紹介していきます。

 

相続放棄は、場合によっては有効な方法です。

 

相続財産中に借金が多く、相続した場合に負債を背負ってしまうような場合は、相続放棄をしたほうが良いこともあります。

 

しかし、それを強制されるのはまた別の話です。

 

自分の相続する割合を増やしたいという理由で、他の相続人に相続放棄を迫ってくる人は、残念ながら少なからず存在します。

 

相続放棄を強要された場合にはどうすればよいのでしょうか。

 

相続放棄の強制は違法?

当然ですが、相続放棄を強制することは違法です。

また、犯罪に該当する場合も多く、強要罪が成立することが多いです。

 

①他人の生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対して害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いたこと

②①によって、他人に義務のないことを行わせ、または権利の行使を妨害したこと

 

①、②を満たす場合に、強要罪は成立します。

 

また、①や②に該当するまでのことは行われなかったとしても、未遂として処罰される可能性はあります。

強要の違法性を訴える

まずは、相続放棄を強制することは違法であると相手方に伝えましょう。

法律上の根拠があると伝え、相続の正当性を訴えます。

 

もし、それでも相手が相続放棄を強制してきたり、横暴な態度に出た場合は、弁護士を通じて再度正当性を主張しましょう。

 

遺産分割協議の際に訴える

遺産分割協議は、全ての相続人が参加しなければなりません。

 

それの参加すら許可されない場合は、即刻弁護士に相談することをおすすめしますが、参加できた場合は、再度自身の権利について主張しましょう。

 

また、特定の相続人に相続放棄を強要されている場合は、強要されている旨を他の相続人に伝えるのも効果的です。

 

それでも強要に応じてしまったら?

頭では「強要は犯罪である」「自分には相続の権利がある」と分かっていても、脅迫をされたら誰でも怖いものです。

 

「相続を放棄しなければ、家族がどうなっても知らないぞ」

こんなことを言われたり、まして暴力を振るわれたりしたら、その場では「相続を放棄します」と言わざるを得ませんよね。

 

では、「強要で相続を放棄させた者勝ち」なのでしょうか?

 

もちろんそんなことはありません。

 

強要による相続放棄は取り消しができます。

 

民法第96条第1項で、「脅迫」による意思表示は取り消すことができると定められているからです。

 

なので、もし身の危険を感じたり、何を言っても通じず、埒があかない際は一旦「相続は放棄する」と相手に伝え、後ほど脅迫された旨を伝えて、発言を撤回するのも選択肢の一つです。

疎遠の相続人には相続の連絡をしなくていい? 相続の話し合い

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こんにちは!estate_diaryです。

 

今回は疎遠な親戚に相続の連絡をする方法や注意点についてご紹介します。

 

相続が発生した際に気になるのが、「疎遠の人には相続の権利が発生していることを知らせるべきか」ですよね。

 

結論として、絶対に知らせるべきです。

 

相続人となるべき人は民法で決められており、「法定相続人」と呼ばれます。

法定相続人には「法定相続分」が割り振られますし、遺産分割協議にも参加する権利があります。

 

「疎遠だから連絡しなくてもいいか」と連絡を怠ってしまうと、遺産分割協議は無効となってしまいます。

 

遺産分割協議には法定相続人全員が参加しなければならないからです。

 

ここからは疎遠な親戚の方に相続の連絡をする方法や注意点についてご紹介していきます。

 

連絡先がわからない場合

「法定相続人全員が遺産分割協議に参加しなければならないのは分かったけれど、連絡する術がない...」

 

連絡手段が数多くある現代でも、疎遠の方とはなかなかすぐに連絡が取れるものではありません。

 

住所などがわからない場合、住民票や戸籍の附票を取得し、住所を知ることができますが、個人の方ではなかなか難しいので、司法書士や行政書士に依頼するようにしましょう。

 

まずは自分から連絡

住所ないし連絡先がわかったら、まずは自分から連絡を取るようにしましょう。

 

いきなり専門家から書類や手紙が送られてくる機械的な連絡よりも、個人からの手紙の方が相手も身構えずに済みます。

 

いきなり法律関係の事務所から郵便物が届くのは心臓にも悪いです。

 

いきなり遺産分割の話をしない

いきなり「遺産はどうしますか?」といった直接的な表現をするよりも、まずは被相続人の方がなくなって経緯と、相続の権利があること、相続手続きに協力して欲しい旨を伝えることをおすすめします。

 

内訳をきちんと伝える

早い段階で、相手が「どのくらいの金額や資産を相続できるのか」を伝えることも大切です。

 

現状でわかっている範囲のことは全て伝えましょう。

 

隠し事をすると不信感を与えてしまうので、都合が悪いことでも、あらかじめ全て伝えることが大切です。

 

相続財産に不動産がある場合の注意点

相続財産に不動産がある場合で、なおかつ誰かが住んでいる場合は特に注意が必要で、万が一「その不動産を売って代金を分割してくれ」と言われると大変です。

 

ほんのわずかな法定相続分の割合でもこの主張はできてしまうのです。

 

相続人には相続登記を単独で入れる権利が存在するので、もし無断で相続登記を勝手に入れられ、共有分割訴訟などされたら目も当てられません。

 

あらかじめしっかりと話し合い、しっかりと折り合いをつけるようにしましょう。

 

 

「突然相続」とは? いきなり借金を背負わされることも!?

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こんにちは!estate_diaryです。

 

今回は「突然相続」について解説していきたいと思います。

 

これは遠い親戚や縁を切った両親の死後などに発生することがあり、知らないうちに数百万円の借金を背負う羽目になってしまうことも...

 

そこで今回は「突然相続」の回避方法や対処法についてご紹介していきます。

 

「突然相続」とは?

まず「突然相続」という言葉について簡単に解説します。

 

誰かが亡くなると、当然資産や借金が親類に相続されます。

 

配偶者、子供、親といった順番で相続は行われますが、相続は放棄することもできます。

 

特に、負債の方が圧倒的に多い人を相続してしまうと、ただ借金を背負うだけになるので、誰も進んで相続はしません。

 

すると、遠い親戚にまで相続権が及び、相続の対象となるのです。

 

これを知ってから3ヶ月間何もアクションを起こさないと、相続が決定してしまいます。

 

負債だけではない出費がある場合も...

突然相続により、負債を背負うだけでなく、不動産が残されて困った、という方も数多く居ます。

 

資産価値のある不動産ならば良いのですが、むしろ処分に多額の費用がかかる不動産を残されることもあるのです。

 

「突然相続」は対処できる

近しい親類が相続放棄を繰り返すことで、遠い親戚にも起こりうる突然相続。

 

では、突然相続の対策方法は「かなり遠くの親戚とも常に連絡を取り続ける」しか無いのでしょうか?

 

実はそんなことはありません、突然相続の対策には以下のような方法があります。

 

しっかりと相続放棄する

親類が放棄してきた相続ですので、もちろんあなたも放棄することができます。

 

故人が遺してくれたものと、遺してしまった負債などを総合的に勘案し、放棄すれば良いのです。

 

しかし、相続放棄には「3ヶ月ルール」というものが存在していて、相続が発生することを「知った時から」3ヶ月以内に放棄しなければ、自動的に相続が決定してしまいます。

 

自身にとって不利益となる相続が発生していることを知ったら、すぐに信頼できる弁護士などに相談するようにしましょう。

 

自分の次に相続対象となる人にも伝える

自分の相続放棄が成立したら、次は誰が相続の対象になるのか確認し、本人にも伝えるようにしましょう。

 

「相続」と聞くと利益のあるものと捉える方は多いですし、古い、もう使い道のない不動産などが相続の対象になっている場合でも、相続を放棄したほうが良いと判断できない方も居ます。

 

そんな時に、「自分はこういう理由で相続を放棄した。あなたも相続をしないほうが良い」と伝えることで、親戚を負債から守ることにもつながります。

 

まとめ

今回は「突然相続」についてご紹介しました。

 

自分に突然相続の権利が発生すると、つい反射的に受け入れてしまいがちですが、相対的に考えて自分に利益があるのかを考え、しっかりと判断するようにしましょう。

農地の相続税③農地の納税猶予の特例の手続きの流れ・必要書類

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こんにちは!estate_diaryです。

 

今回も農地の相続税についての記事を公開します。

 

今回は、農地の納税猶予の特例の手続きの流れと必要書類をご紹介をいたします。

農地の相続税について3回にわたり解説をしましたが、今回で最後になります。

 

納税猶予の特例の手続きの流れ・必要書類

実際に農地を相続した場合の納税猶予の特例の適用を受けるために、どのような手続きが必要なのでしょうか。

 

必要となる書類についても解説しながら、その流れを確認していきましょう。

 

農地の取得者を確定する

まずは、農地を相続する人を決めなければなりません。
遺産分割協議を行って農地を相続する人を確定した場合は、その内容は遺産分割協議書に明記されます。

 

もし、すべての財産について誰が相続するかを決めることができない場合は、農地だけで遺産分割協議書を作ることができます。

 

農地についての納税猶予の特例は、相続税の申告期限までに申告しなければ適用が受けられません。

 

未分割の場合でも、後から適用が受けられる配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例とは異なります。
そのため、必ず相続税の申告期限までに農地を相続する人を決定する必要があります

 

相続税の申告を行う

相続税の申告は、相続開始の翌日から10か月以内に行うこととされています。

 

納税猶予の適用を受けるには、期限内に相続税の申告書を作成し、税務署に提出する必要があります

 

納税猶予の適用を受けるためには、申告書を提出する際に、以下の書類を添付する必要があります。

 

  • 「農地等についての相続税の納税猶予の適用を受ける特例農地等の明細書」
  • 農業委員会による「相続税の納税猶予に関する適格者証明書」
  • 担保として提供する財産の明細書等
  • 特定貸付けを行っている場合は「相続税の納税猶予の特定貸付けに関する届出書」
  • 一定の農地や準農地がある場合は市区町村長の証明書

 

特例の適用期間中の継続届出

納税猶予の特例の適用を受ける農業相続人は、その適用を受ける間、3年ごとに継続届出書を提出しなければなりません

 

この継続届出の手続きを行う際には、農業委員会による「引き続き農業経営を行っている旨の証明書」が必要となります。

 

また、「特例農地等に係る農業経営に関する明細書」も作成し、提出しなければなりません。

 

農地の相続税を計算するときの注意点

最後に、農地を相続する場合の注意点について解説します。

 

納税猶予の特例の適用を受けない場合でもいくつか注意すべき点があるので、よく確認しておきましょう。

 

農地の相続税評価額は思わぬ金額になることもある

農地に対する固定資産税の金額は、宅地と比較するとかなり低い金額になっている場合があります。

 

特に、市街地の中に所在する農地でも宅地に比べると固定資産税評価額が大幅に低いことがあるのです。

 

当然、納付する固定資産税の額も少ないことから、この場合は相続税も大したことがないと考えているかもしれません。

 

しかし、このような誤解が、時には大きな誤りを生む原因となる可能性があります。
固定資産税評価額は低い金額となっていても、相続税評価額は必ずしも低いとは限らないからです。

 

農地の相続税評価額の計算方法に従い、正しい金額を求める必要があるのです。

 

4つの農地の区分のいずれに該当するかを間違えない

農地の相続税評価額の計算方法は、倍率方式と宅地比準方式のいずれかにより計算された金額をベースとしています。

 

ただ、そのいずれの方法により計算するかは、農地の区分にもとづいて定められており、自分で選択するものではありません

 

そこで重要なのが、農地が4つの区分のいずれに該当するかです。

 

純農地、中間農地、市街地周辺農地、市街地農地のいずれに該当するかを間違えると、その評価方法も間違える可能性があります。

必ずどの区分に該当するのかを確認しておくようにしましょう。

 

 

 

農地を保有する方が亡くなると、その相続税額がかなり大きな金額になることがあります。

 

これは、その農地を宅地に近い方法で評価しているためです。
ただし、農業を継続する相続人がいる場合には、納税猶予の特例の適用を受けられます。

 

納税猶予を受ける場合のメリットと、農業を続けることの負担を考慮し、納税猶予を受けるか否かを決定するようにしましょう。

 

農地の相続税②農地の納税猶予の特例と適用要件

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こんにちは!estate_diaryです。

 

前回から農地の相続税の関係について解説をしています。

今回は、農地の納税猶予の特例と適用要件をみていきたいと思います。

 

農地の納税猶予の特例とは

農地も土地の一種であり、経済的な価値があると認められています。
そのため、相続税の計算を行う際には決められた方法で評価額の計算を行い、相続税の計算に含める必要があるのです。

 

ただし、農地はあくまで農産物の生産のために使われる土地ですから、その土地を利用して莫大な利益が生み出されるわけではありません。

 

また、農業を続けることは簡単ではないため、高い相続税を払ってしまうと農業を続けることはできない可能性があります

 

さらに、農地が耕作されずに放棄されるとむやみな都市開発を招くこととなる可能性もあります。

 

そこで、農業を継続する相続人がいる場合には一定の要件のもと相続税の納税を猶予する特例が設けられています

 

納税猶予の特例の適用条件

農地を相続した場合の納税猶予の特例の適用を受けるためには、多くの要件を満たさなければなりません。

 

どのような要件があるのか、その内容を確認していきましょう。

 

被相続人となる人の範囲

納税猶予の特例の適用を受けられるのは、死亡の日まで農業を営んでいた者の他、死亡の日まで特定貸付けを行っていた人です。

 

また、生前一括贈与を行い、贈与税の納税猶予を受けた人も対象となります。

 

農業相続人となる人の範

納税猶予の適用を受けられる相続人は、相続税の申告期限までに農業経営を開始し、その後継続して農業経営を行う者です。

 

また、相続税の申告期限までに特定貸付けを行った者も、農業相続人に該当します。
さらに、生前一括贈与を受けた受遺者も、その後贈与者が亡くなって相続が発生すると農業相続人となります。

 

もともと農業を営んでいなかった場合でも、納税猶予の適用を受けることはできます。
ただ、この場合は申告期限までに農業経営を始める必要があります

 

対象となる農地

納税猶予の適用が受けられる農地は、被相続人が農業の用に供しているか、特定貸付けを行っていた農地をいいます。

 

具体的には、以下のいずれかに該当する農地をいいます。

 

  • 被相続人から相続により取得した農地で、遺産分割が行われているもの
  • 贈与税の納税猶予の対象となったもの
  • 相続が発生した年に被相続人から生前一括贈与を受けたもの

 

納税猶予から納税免除となる場合

納税猶予の特例は、納税を今すぐしなくてもいいというものであって、後から相続税を納税しなければならないケースもあります。

 

ただ、一定の要件に該当すれば納税猶予から納税免除となり、相続税を納税義務が消滅します。

 

納税免除となるのは、まず、農業相続人が死亡した場合です。

 

次に、農業相続人が一定の条件のもと、後継者に生前一括贈与をした場合があります。

 

また、相続税の申告期限から20年間農業を継続した場合も相続税の納税が免除されます。

 

農地の相続税①農地の相続税評価

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こんにちは!estate_diaryです。

 

亡くなった人が農地を保有していた場合、その農地も相続財産となります。
農地も土地ですから、土地としての相続税評価を行い、その評価額を求めることとなります。

ただ、農業を引き続き行う相続人がいる場合は高額な相続税を支払わなくてもいいように納税猶予が適用できます。

 

今回から3回に分けて、どのように農地の評価額を計算するのか、そしてどのような場合に納税猶予が適用されるのか、その内容を確認していきます。

 

農地の相続税評価・計算方法

農地を保有している人が亡くなると、その農地が相続財産となります。
農地の相続税評価額を計算する際には、その農地の種類に応じた計算方法が定められています

 

農地の評価額を求めた後の相続税の計算も含めて、農地の相続税について解説していきます。

 

農地の相続税評価①純農地・中間農地

純農地は、以下の3つのいずれかにあてはまる農地のことです。

  • 農用地区内にある農地
  • 市街化調整地区内にある農地のうち第1種農地又は甲種農地にあてはまるもの
  • 上記以外の区域内にあって第1種農地に該当し、第2種農地、第3種農地に準じないもの

 

一般的な農地であり、宅地として使用する見込みはないことから、宅地となる可能性は考慮しません。

 

また、中間農地は以下の2つのいずれかに該当する農地のことです。

 

  • 第2種農地にあてはまるもの
  • 第2種農地に準ずる農地と認められるもの

主に都市近郊に所在する農地が対象となっています。

 

純農地や中間農地は、倍率方式により相続税評価額を求めます。
その農地の相続税評価額に国税庁が定める倍率を乗じた金額が、相続税評価額となります。

 

農地の相続税評価②市街地周辺農地

市街地周辺農地は、以下の2つのいずれかにあてはまる農地のことです。

  • 第3種農地にあてはまるもの
  • 第3種農地に準ずる農地と認められるもの

 

市街地の区域内にある農地、あるいは市街化が著しい地域にある農地があてはまります。

 

市街地農地とみなして相続税評価額を計算しますが、その額を80%に減額することとされています。

 

農地の相続税評価③市街地農地

市街地農地は、次のいずれかにあてはまる農地のことをいいます。

  • 転用許可を受けた農地
  • 市街化区域内にある農地
  • 転用許可を要しない農地として都道府県知事の指定を受けた農地

 

市街地農地は、宅地比準方式または倍率方式により相続税評価額を計算します。
宅地比準方式は、その農地が宅地であるものとして評価した金額から造成費用を差し引いた金額となります。

 

相続税の計算方法

まずは農地以外の財産も含めた、すべての相続財産の合計額から相続税の計算を行います。

 

この時、相続財産の相続税評価額から「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算される基礎控除の額を差し引くこととされます。


相続財産の合計額が基礎控除以下となれば、相続税は発生せず、相続税の申告をする必要もありません。

 

相続財産の合計額から基礎控除を差し引いた後の金額が、相続税の課税対象となる金額です。

 

課税対象額を法定相続分に分割して求めた金額に税率を乗じて、相続税を求めます。
その後、それぞれの法定相続分から発生した相続税額を合計して、相続人全員で支払うべき相続税の合計額を計算します。

 

相続税の合計額を求めたら、それぞれの相続人が相続した財産の額に応じて税額を按分します。

 

相続人ごとに按分された税額から、税額控除や納税猶予の適用を受けられる金額を差し引きます。

 

また、逆に二割加算の対象となる相続人がいる場合には、その税額を加算します。
このようにして求めた相続税額を、相続開始から10か月以内に納付するのです。

 

農地を相続した場合には、相続税が発生しても納税猶予の特例が適用できる場合があります。

 

その場合は、納税猶予の対象となる税額を差し引いた残りの金額を納付します。